世界で最も古い紙幣は本当に中国・宋代の交子なのですか?

世界で最も古い紙幣は本当に中国・宋代の交子なのですか?

そうです。世界で最初に使われた紙のおカネは、11世紀のはじめごろ、中国の北宋時代に四川省の成都でうまれた「交子(こうし)」です。ヨーロッパが紙幣をつかったのはそれから600年以上もあとで、交子は今の紙幣のもとになった、信用にもとづくお金でした。

交子ってどんなものだったの?

交子は、北宋(960~1127年)のころ四川地方でつかわれていた紙でできたお金で、はじめは商人たちがお客さんにわたす預かり証のようなものでしたが、のちに国が発行をおこない、正式なおカネとして認められるようになりました。

どうして交子がつくられたの?

そのころ四川では、鉄でできた硬貨(てっせん)がつかわれていましたが、とても重くて不便でした。たとえば絹1反を買うのにもおよそ54キロの鉄銭が必要で、大きな取引になると数百キロの硬貨を運ばなければならず、商売に大きな手間がかかっていました。

こうした問題を解決するために、成都の有力な商人16人がいっしょになって「交子鋪(こうしほ)」という店をひらき、お客さんが鉄銭をあずけると、そのぶんの金額がかいてある紙(=交子)をわたすしくみをはじめました。

国が紙幣をつくりはじめた

北宋の政府は1023年(天聖元年)に成都に「益州交子務(えきしゅうこうしう)」という役所をもうけ、翌1024年4月1日には国が発行する「官交子(かんこうし)」を正式に流通させました。これによって交子は、個人どうしの約束ごとではなく、国の信用にもとづいたお金へと変わりました。

交子のつくりかたとニセモノ対策

交子は楮(こうぞ)の繊維でつくられた丈夫な紙をつかっていて、破れにくく、まねされにくいようになっていました。また、いくつかの色をつかって印刷したり、複雑な模様や特別なかん印をいれるなど、ニセモノをつくらせないための工夫がいくつもありました。金額もはじめは自由でしたが、のちに1貫・5貫・10貫といった決まった額だけになり、さらに3年ごとに新しい交子にかえる「界(かい)」という制度をもうけて、お金の価値がさがるのをふせごうとしました。

ヨーロッパとくらべるとどう?

ヨーロッパで最初の紙幣がでたのは1661年(スウェーデンのストックホルム銀行)ですが、交子はすでに11世紀のはじめからつかわれていたので、その差は600年以上もあります。

まとめ

歴史の記録や発掘された品、そして世界中の研究者の意見がすべて一致していて、「交子が世界最古の紙幣だ」とはっきりいえます。これはただ新しい形のおカネをつくっただけではなく、人どうしの「信用」で価値をやりとりする経済のスタートでもありました。