
中国の正史「二十四史」の中でも特に評価が高いのが『三国志』で、これは「前四史」の一つとしてもよく知られています。この本は西晋の歴史を書く人・陳寿(ちん じゅ)によってまとめられ、魏・蜀・呉の三国時代の出来事を国ごとに記録した断代史です。
『三国志』の全体の形
『三国志』は全部で65巻あり、内容は『魏書』30巻、『蜀書』15巻、『呉書』20巻の三つの部分に分かれています。もとはこの三つが別々の本として伝わっていましたが、北宋の咸平6年(1003年)になって一つの本にまとめられました。
陳寿が参考にした主な本
陳寿は『三国志』を書くときに、当時すでにあった歴史の本や一次資料をたくさん調べて使いました。その中でも特に重要なのは以下のものです。
(1)魏の歴史に関する本
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王沈(おう しん)が書いた『魏書』
これは魏の国が公式につくった歴史の本で、陳寿はこれを魏の話を書くときの土台にしました。 -
魚豢(ぎょ かん)が書いた『魏略』
個人が書いた歴史の本で、『魏書』とは違う見方やより詳しい話が載っています。外交のことや他の民族との関わりについての記述が特に多いです。
(2)呉の歴史に関する本
- 韋昭(い しょう)が書いた『呉書』
これは呉の国が公式につくった歴史の本で、韋昭は呉で働いていた学者であり役人でした。陳寿は呉の出来事を書くうえで、この本をとても頼りにしました。
(3)蜀の記録:自分で集めた情報で書いた
蜀漢には正式な歴史を書く仕組みがなかったため、すでに完成した歴史の本は存在しませんでした。陳寿自身が蜀の出身だったこともあって、個人的に話を聞いたり資料を集めたりして、わずか15巻の『蜀書』を仕上げました。そのため、蜀の話は魏や呉と比べると短く、内容も簡単になっています。
ほかにも使ったかもしれない本
一部の研究では、陳寿が東漢の終わりごろにできた『漢記』(かんき)という歴史の本も参考にした可能性があると言われています。ただし、こうした本は後に失われてしまったため、実際に使ったかどうかを確かめるのは難しいです。
まとめ
『三国志』は単なる物語ではなく、当時の政治や軍事、文化を正しく伝える貴重な一次資料です。陳寿は魏と呉の古い歴史の本をうまく使いながら、蜀の記録がないという難しい状況を自分で調べて乗り越えました。そのため、現代の歴史の勉強や研究でも、『三国志』は三国時代を理解するうえでとても大事な本とされています。





